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Similingチーム

デジタル化は必要か?

競争原理の必然

前稿において、デジタル化とは何かについて解説しました。本稿では、企業にとってデジタル化は必要かどうかについて、論点を整理したいと思います。

まず、すべての会社にとってデジタル化が必要かといえば、そうではないと私は思います。企業の業務は多岐に渡り、人間の手や頭脳を必要とする業務もあれば、デジタルによって自動化された業務もあります。ただしこの区分は画一的ではなく、同じ業務であっても規模や事情によって異なります。例えば同じ小売業でも、社長の企画力を頼りに商品開発する会社と、ビッグデータを駆使して商品開発をする会社であれば、デジタル化の必要性は異なります。

つまりまず大事なのは、自社の業種、業態、規模、ビジネスモデルに応じて、デジタル化の程度を見極めるということです。社長が部下にDX化を丸投げする会社は、この点の整理が不十分で失敗する可能性が高くなってしまいます。かといって、デジタル化に適した業務をアナログのまま放置すれば、同業他社に出し抜かれて、会社の衰退につながるリスクに直面します。

自社のビジネスをよく分析して、デジタル化に適した業務が見つかれば、次はどんな道具を使うかということになります。最近はローコードやノンコードなど、複雑なプログラムを必要としないアプリケーションや、APIという仕様で相互連携するアプリケーションが多数開発されています。費用対効果、開発期間、使い勝手などを勘案しながら、自社に最も適合したアプリケーションを選択することが大切です。

最後に重要なのは、デジタル化によって得た新しいシステムを、人間がちゃんと使いこなすことです。高邁な理想を掲げて、多額の費用をかけてシステムを構築したのに、ユーザーである社員が従来のアナログ業務にノスタルジーを感じてしまい、デジタル化に抵抗してしまうという失敗例は、残念ながら多数あります。デジタルの力で会社を革新するといっても、それを使いこなすのは人間ですから、会社一丸となって社員がその気になるデジタル化を目指すことが大切です。


以上をまとめると、「正しい業務を選択して」「正しい道具を使って」「会社一丸となって進める」デジタル化を目指すという基本線さえ守るのであれば、デジタル化を避ける理由は何もないと言えるでしょう。

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