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デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か?

  • fujitarts
  • 2022年5月28日
  • 読了時間: 2分

最近、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉をよく聞くようになりました。一般的な言葉の定義としては、「進化したデジタル技術を活用することで、人々の生活をより良いものへと変革すること」などと言われていますが、これまでよく使われていたIT化という言葉とどう違うのか、ピンとこない方も多くいると思います。


これまで使われてきたIT化という言葉は、もともとアナログの世界で処理していた業務を、デジタルの力で自動化、省力化、効率化する場合に使われてきました。言い換えると、デジタルに期待されていたのは、人間が作業するアナログ業務をサポートし、より便利にするという従属的な役割だったと言えます。


ところが昨今のデジタル技術の向上やインフラの整備により、極めて大きなデータ処理が可能となったことで、デジタルの可能性が飛躍的に向上しました。例えば画像を認識してAIが判断するとか、ビッグデータを解析して経営戦略を立案する、などが挙げられます。こういった、人間の作業が介在しない業務や、あるいは人間の処理能力を超越した業務ができたことで、一部の業務分野ではデジタルがアナログと肩を並べるか、むしろ凌駕するということが起こっています。


このような世の中の変化を表現するために、デジタルトランスフォーメーションという用語ができたと言えるでしょう。つまりDXは、従来のIT化という用語と比較して、”既存の価値観や枠組みを根底から覆す革新的なイノベーション”というニュアンスが含まれた新しい用語になります。


DXが難しい理由は、この革新性にあります。従来のIT化であれば、もともと参考になるアナログ業務があって、例えばバーコードで読み取るとか、月次で請求書を自動的に発行するなどにより、自動化や省力化を図ってきました。ですがDXは「革新的なイノベーション」ですので、発想の仕方が異なります。コネクテッド・カーを例に取れば、事故発生時に緊急通報を受けたり、安全運転が走行実績として記録されることで保険料が安くなったり、盗難時に車両の位置を追跡してくれたりなどが実現可能ですが、これも車をIoT化するという革新的な発想があったからこそのサービスになります。


DXの失敗事例、という話をよく聞きますが、失敗の多くはここに起因しているのではないでしょうか。すなわち、事業会社のIT部門や、ITベンダーが従来のIT化と同じアプローチをとっている限り、革新性はなかなか出てこないのではないかと思います。この点につきましては、また別の稿で解説したいと思います。

 
 
 

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